【完】プリンセス
その後も陽呂の話を聞きながら、帰り道を歩いた。
聞けば聞くほど有り得なくて。

だんだん、恥ずかしさから怒りに変わりつつあった。



部屋の前で、鍵を見つめ止まる。



散々、茶化されたじゃないっ!
明日から学校行くの恥ずかしいし……。



しかも皆、陽呂を慰めろって……それは、私の方じゃないの?

あんな風に恥ずかしい思いしてるんだからっ!


皆、陽呂に甘過ぎなのよね!




重い気持ちと同じ音をたて回る鍵。



玄関に入ったら電気がついてない。


あれ?

陽呂……居ないの?


先帰ってるって聞いたのにな?





電気のスィッチに手を伸ばした瞬間。


大きな腕に、後から包まれた。





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