【完】プリンセス
「さっきの陽呂君かっこよかったもんね?」
「うんうん」
愛未と林君は、見詰め合って頷く。
わかるように説明してよね?!
そんな私に気付いたかのように話し出す愛未達。
「“俺の心菜に手出した奴は、次はこんなもんで済むと思うなっ!”
って正座さした女子の前でさー」
「そうそう、叫んでたよね」
掛け合いの様に話す2人。
は?
まさかぁー?!
陽呂がそんな事する訳ないじゃん。
私を騙して遊ぶつもりだな?
林君まで、愛未に汚染されたの?!
「もう、そんな嘘いらなーい……って」
真剣な顔の2人が首を横に振った。
「……本当に?」
「『本当だから!』」
声を揃えて言われた私は、『何、考えてんのよ? ボケ陽呂!』と心の中で叫んだ。