【完】プリンセス
プシューって頭から煙出たよ……絶対。
陽呂は……私の事、待ってくれるって言ったもん。
私の心の準備、待ってくれるよね?
少し濁った温泉に肩まで浸かって、少しウズウズする陽呂と同じ傷を撫でた。
「あー駄目だ! 熱いっ! ちょっと休憩」
「私も休憩しますー」
「私はもう少し居るねー」
立ち上がった2人は、少し温めのお湯に向かった。
お湯を、腕に伸ばしながら、サラサラになる感覚を楽しんでいた。
白い煙の中からぼやーっとした人影が浮かび、近づいて来る。
「心菜ちゃん」
聞き覚えのある声……。
「また会ったね」
やっぱり。
「奈津美さんも温泉入ってたんですか」
「うん♪」