【完】プリンセス
でもさ?
それは、ないんじゃない?


沙耶ちゃんは、確かにギャルっぽいよ?


でも、お前みたいに軽くねーんだよ。



『沙耶、こっち来い。』

『え? 壱人君……?』


驚く沙耶ちゃんに、手を出す俺。


『だから早く来いって』


慌てて俺の方へ走って来る。


『あ~? お前誰だ?』


蹴られた所を押さえながら立つ男。

だせぇ。


『ふっ。女に蹴られた位で、倒れてんじゃねーよ』

『あぁ~?』

『沙耶に謝れよ』

『え? 壱人君?
……私なら大丈夫だから』


沙耶ちゃんの声なんて無視だよ?

今は、コイツがむかつくんだ。


『謝れ~? 何ソレ?』

『謝れってんのが聞こえない?』


だんだん低くなる声。


これ以上、キレさすなって。


『はぁ~?聞こえませんねぇ。そんな真面目そうな人が、大口叩いて大丈夫~?』


俺に殴りかかる馬鹿な奴。

沙耶ちゃんを、右手に抱き込んで、左手が顔にヒット♪

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