だから、もう逃がさない。
「志乃って恋愛したことないんだろ」
「ないよ。悪い?」
そうやって肯定で聞いてくるのが、また腹が立つ。
「なら俺と恋愛する?」
「、は?」
何を言ってるんだ、この人は。
当たり前のように首を傾けてまた捕まえるように見つめてくる。
「教えてやるよ、イロイロと」
イロイロって何よ、イロイロって。
「結局です。教えてもらいたくもないし。」
「自信ないんだ?」
「は?」
何よ、それ。
「俺に惚れない自信、ないんだって言ってんの」
「、」
あるに決まってるでしょう?!
「いいわよ。翔と恋愛する」
ただし、条件つきで!
「絶対に、本気にならないから」
恋愛なんてクダラナイ。
泣いて、傷ついて、新しい出会いを狂うように探して、
どんどん離れなくなっていく。
そんな人間にはなりたくない。
『出来んの、そんなこと。』
『当たり前でしょう』
『ふーん?…楽しみだね、』
『は?』
『志乃がどう堕ちるか』
『……(堕ちてたまるか)。』