だから、もう逃がさない。
──────………
ようやく着いた家の前には、誰1人の気配もなかった。
「なんだ………」
心配して来て損した。
"今、家に着いたけど。
何で連絡先知ってるの?"
部屋に行き、一旦落ち着いてから改めて翔に返信する。
ウ゛ーウ゛ー……
"早く連絡しろよ。"
しばらく経って返ってきたメールはやっぱり1行で。
私の質問なんて完全に無視されている。
"やだよ。メール嫌いなの"
そう返せば1分も立たない内に携帯が鳴り出した。
「……もしもし?」
もっとよく名前を見るべきだった。