こうして僕らは、夢を見る

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1LDKのマンション。



3階の一番右端に位置する部屋がマイハウス。家賃は6万円とややお高め。けれど立地条件から推測妥当かもしれない。



交通機関や医療関係。日常品を揃えられるスーパー。数件のコンビニ。本屋。CDショップ。喫茶店。ファーストフード店などの大型チェーン店などが多数あり住むには素晴らしく便利な場所。



独り暮らしの私の部屋は相当散らかっている。マンションの綺麗な外観からは想像が付かないほど。扉を開ければゴミ屋敷。



私の辞書に【片付ける】と言う文字は無いらしい。



そんなゴミ屋敷に住まうワタシ。



―――――‥そのゴミ屋敷はこの数日で更に悪化していた。
















+ + +

白いソファーに寝ていた私は起き上がる。怠く重い身体。回らない思考。目が覚めずソファーに座りながらボーッとする。



口を開けたままボケっとしている私は間抜け。



実家に居た頃はシャキッとしなさい!とか言われたけど今は咎める人が居ない。気楽だけど稀に寂しくなる。独りで部屋に居ると虚しさに襲われる事も少なくはない。





―――…よく自身を見れば昨夜着ていた夏らしいブルーのドレスのまま。帰宅直後ベッドにも入らずソファーで眠ってしまったらしい



ガラステーブルに置かれた鏡を手に取り顔を見れば化粧もしたまま。浮腫んだ顔が醜さ倍増。メイクも爛れ最早ホラー宛らだ。



これは流石に不味いと焦り鏡をテーブルに置き直すとメイクを落とそうと、洗面所に行こうとする。



立ち上がろとしたとき、ふと携帯が目に止まった。





「……あ」





そういえばあの日から三日経っている。ワインや麦酒や煙草の匂いが充満する中で鷹見沢さんと一夜過ごした日から三日後の今日。



電源は今だOFFにされたまま。当然だけど着信履歴も受信メールも見ていない。



そうして気付けば私の手は自然と携帯を手にしていた。



無意識に電源を入れようとしたがハッと我に返る。自惚れじゃないけど履歴は凄い事になってそう。優に1桁は越えてるよね。それを分かっていながら電源を入れない私は卑劣な人間だ。



今更どう接すれば良いのか。こんなに悩んでばかりいるとまた処方薬の量が増える。



携帯をソファーに投げると、洗面所に行こうと立ち上がる。化粧を落とそうとしたが――…






「うぇー。頭痛いー…」





頭を押さえてフラつく。
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