灯火-ともしび-
年下には好かれるタイプ
どうやら私、安元夏海(ヤスモトナツミ)は年下に好かれる傾向があるらしい。


「夏海さん、ゼミのレジュメ見てもらってもいいですか?」

「夏海さーん!助けてくださいーっ!」



ゼミが始まる前に聞こえてくる声。



「んーどれ?見せて。」

「お願いします!」



私はいつだって通常運転だけれども、それは周りにとって信頼できる先輩となりうる態度…らしい。
可愛い後輩二人のレジュメに目を通していると、時計が4時を指した。
そろそろヤツが、来る。





「夏海さーん!こんにちは!」

「…風馬。」


明るくて元気な、まるで太陽のような笑顔を浮かべて挨拶をしてくる青年。


おそらく私への懐き度ナンバーワン。
人懐っこさもナンバーワンの男。


安達風馬(アダチフウマ)。大学三年生。
私の1コ下の後輩だ。

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