灯火-ともしび-
パチンと夏海さんの部屋の明かりが点けられる。


夏海さんらしいシンプルで落ち着いた部屋。
机の上には最近まで使っていただろう文献が山積みだ。


小夏ちゃんがベッドの上のタオルケットをよせてくれた。
シーツの上に夏海さんの身体を横たえ、タオルケットをそっとかけた。


「あの、ありがとうございました!」

「いえいえ。案内してくれてありがとう。」


俺がそう言うと、小夏ちゃんも小さく笑った。
うん、そういう顔は少し夏海さんに似ている。


「それじゃ俺は失礼します。
ちゃんと夏海さんを送るっていう任務も遂行したし。」


俺は寝かせた夏海さんを振り返る。





「おやすみなさい、夏海さん。」





俺はそれだけ言い残して、夏海さんの家を後にした。

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