灯火-ともしび-
「んー…弟について…かぁ。
小夏ちゃん、お姉ちゃんについてのエピソードとかある?」

「えっと…お姉ちゃんは美人で頭が良くてかっこよくて…私が困っているとすぐ助けてくれて…大好きですっ!」

「分かるー!俺も大好き!」

「お姉ちゃん、私が少しでもへこんだりしてるときは絶対に気付いてくれるんです!
それで話聞くだけならしてあげるって言うんですけど、でもわたし、いつも言葉がまとまらなくて…それでもちゃんと聞いてくれて、それでアドバイスもいつも的確でっ…。」

「そうなんだよね。夏海さんって言ってること、結構厳しいけど正論なんだよね。
だからかっこよくてさ~…それに本当に美人だよね。」

「そうなんです!可愛い服もかっこいい服も着こなしちゃうし、本当に大好きで自慢のお姉ちゃんです!」

「可愛い服とか持ってるの、夏海さん?」

「はいっ!お母さんとわたしでこっそり買ったりしてクローゼットに入れてて、二人で泣きつくと渋々着てくれるんです!」

「えぇーなにそのファッションショー!今度開催する時は俺も呼んでね!」

「はいっ!あ、それじゃあ今度お姉ちゃんに洋服プレゼントしませんか?
一緒に選びたいです!」

「お、いいね!めちゃめちゃ可愛いのを選ぼうよ!」

「もちろんですっ!」

「…夏海さんの浴衣、めちゃめちゃ可愛かったし…今度はどういうのがいいかなぁ…。」

「お姉ちゃんの浴衣姿、すっごく素敵でしたよね!
んー…あ!マリンっぽいワンピースとかどうですか?」

「いいね!ちょっと買い物行こうよ!」

「はいっ!」


*控室*

「ちょっ…オレの話、兄ちゃんこれっぽっちもしてねーんだけど!」

「風馬の奴…私はワンピなんて着ない!小夏も全く…。」

「つーか小夏もオレの話しようよ…。」

『…どんまい、流馬…』

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