灯火-ともしび-
*風馬side*


きっと怒る。絶対怒る。
でも…見たい。夏海さんがコレを着る姿を。


…絶対襲わないという条件付きなら着てくれるかな。
でもそれって自分の首を絞めることにならないか?
ぎゅっと握ったソレに色々な妄想を巡らせつつ、俺はバスルームに足を運んだ。


ノックをするも返事はない。
とりあえず入ってシャワー中であろう夏海さんに声をかける。


「夏海さーん!」

「ふ、風馬!?」

「あ、開けませんって!大丈夫ですって!
えっと…着替え、置いておきます。」

「わ、分かった!」


…この一枚隔てた先に夏海さんが…いる。


だめだっつの!俺!落ち着けよ!
つーか…絶対怒られるけど…夏海さん、なんだかんだ優しいから頑張ってくれちゃう…とかないかな?


そんな淡い想いをソレに込めて置く。


「…どうか着てくれますように。」


怒られたら、それはそれだ。謝ろう。


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