私の恋人は布団です。
目の前には、疑いたくなるくらい胡散臭い神様ホストに、非科学的で非現実的な目の覚める程に最高な彼氏(元布団)。
延は、自分の見たものを、そのまま信じると決めた。
好きな相手と居られるなら、それはそれで悪くない。
多分、これから、この前途多難な恋人には、みっちり人生設計について説教するのだろう。
そして、一緒に穏やかではないにしろ日常を重ねていく。
悪くない、と思う。
そんな日々を思い浮かべて、延は微笑む。
つられて、隆也も延に笑って返す。
「ところで、ちゅーは?ちゅーしないの?」
(いっぺん馬に蹴られてくればいいのに……)
延は呆れ、隆也も複雑っぽく苦笑いをする。
人騒がせな神様の悪戯は、まだ終わらない。
fin
