いじわるな君に恋をする




きっと花音は、自分にはわがままなんて許されないって

小さい頃から、そう思ってきたんだろう




「花音、今度は三人で夕飯食べような?」

「いいの?」

「いいに決まってんじゃん。彼女なんだから」




嫉妬して欲しくて、つい出た言葉



ムカつく


面倒臭い




花音を傷つけてしまった事に、腹立たしさを覚えた




「…朔弥」

「なに?」

「私は大丈夫だから、麗華に付き合ってあげて?

ひとりぼっちは、寂しいから…

悲しいから…」




花音はひとりぼっちの寂しさを、一番よく知ってる


だからこそ出る言葉だった



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