奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

言われたくない言葉

クリスマスまで一週間を切った。


十二月に入って直ぐに受付ロビーに設置された大きなツリー。


最初は目立っていたけど、今ではすっかり馴染んでいる。


今年はホワイトクリスマスになるかな?


そうなればいいな。



「イヴのご予定は?」

「春ちゃんとイルミネーション見に行くよ」

「あら、楽しそうね。 歩に言ったら一緒に行きたいって言いそうだわ」



それってイルミネーションを見たいとかじゃなくて、周りから白い目で見られてる私を見たいって事だよね……。


同じ失敗は繰り返しませんから。



「イヴは恋人と楽しむ日だよ? 二人で過ごした方が楽しいよ」

「文美からそんなセリフを聞ける日がやって来るなんて、思ってもいなかったわ。 成長したのね」



恋人と楽しむ日って……自分で言っておきながら、なんか恥ずかしくなってきた。


桃花から目をそらし、ロビーで忙しくしている人たちに目を向けた。


仕事で険しい顔をしている人たちも、イヴだのクリスマスだの、イベントの日には笑顔になるのかな?


みんな家族や恋人、大切な人がいるんだよね、きっと。





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