奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
私の言葉を無視して私の体を揺さぶる優君。


何なのよ!!



「こんな日にまで冗談言ってないで、優君はもう参列席でしょ!?」

「だから優じゃなくて春彦だっつってんだろ!! さっきぶつかった拍子に中身が入れ替わったんだよ!!」



は、はい!?



「またまたぁー!! 今日エイプリルフールじゃないよ?」

「…………」



顔面蒼白な春ちゃんと優君。


嘘でしょ……。



「ま、マジ?」



二人同時に頷き、今度は私がテンパった。



「ど、ど、どうすんの!? 元に戻れないの!?」

「さっきから試してんだけど戻れねぇんだよ!!」

「春兄、どうすんの!?」



春ちゃんが自分で『春兄』って……気色悪い。


ここまできて式を中止になんてしたくない。


こうなったら仕方が無い。


私は立ち上がりドレスを持ち上げた。



「行くよ!!」



私は春ちゃんの姿の優君の腕を取り、部屋から出た。



「式場の人と今日の流れの確認に行ってくるから、優く……あーもう! ややこしいな! 春ちゃんは参列席に行って!!」

「はぁ!? マジかよ!?」

「しょうがないでしょ!! 優君、マジでキスしたらぶっ飛ばすからね!!」



普通の生活が送れると思ってたのに!!


こんなの酷すぎる!!!!


神様のバカヤロー!!!!!!!


誰にもバレる事なく、私たちは無事に式を挙げ終わりましたとさ。






おしまい。
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