奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
ー数年後ー



「文美とっても綺麗」

「ありがとう」



桃花に褒められると未だに少し照れくさい。


鏡に映る自分の姿を見て、嬉しさの余り顔がにやける。


まさか純白の衣装を見にまとえると思わなかった。



「私たちは参列席に行ってるわね」

「うん」



桃花やお母さんたちが部屋から出ていき、静かな空間に一人になった。


色んな事があったな。


とうとうこの日がきたんだ。


春ちゃんと結婚する日が……。


一人感情に浸っているとバタバタと煩い足音が近付いてきた。


ノックも無しに扉が開き驚いた。



「は、春ちゃん!? 優君!? 二人してそんなに慌ててどうしたの!?」

「文美ヤバイ事になった!!」

「ゆ、優君近いよ!!」

「俺は優じゃなくて春彦だよ!!」



……は?


どう見ても姿は優君で、呆然と立ち尽くす白のタキシードを着たのが春ちゃんなんだけど……。


いやいやいや!!



「じゃなくて!! 挙式前に新郎と新婦の部屋分けた意味ないじゃん!! 春ちゃん出てってよ!!」



まじなに考えてんの!?





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