『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・・・ハァ
いや、くじけるな俺」
優さんのマンションで
涙目になりながら
小さく溜息を漏らす。
毎日俺が真夜中に帰ってくると
ごみ箱にはぐちゃぐちゃに
丸められた婚姻届があった。
優さん・・・・・・・
毎日・・・悲しい気持ちで、
眠る優さんの顔を眺めた。
それでも、欠かさずに
婚姻届を置き続けた。
市役所の人達は週に一回は
7枚婚姻届を貰いに来る俺の顔を
さすがに覚えてしまい
かなり怪しまれたけど
頑張って貰いに行った。
そんな辛い毎日を繰り返すこと半年。
優さんのお腹は大分大きくなってきた。
優さんは子供を産まれる事を
家族に言ってないらしい。
仕事は最近産休をとったらしく
毎日マンションにいる。
「優さん♪男の子かな?女の子かな?」
優さんのおかなを摩りながら言った。
ただ今優さんの妊娠8ヶ月。
「・・・・・・和樹あのさ。」
優さんが真顔で俺を呼ぶ。
「何?俺、何でもするよ♪」
滅多にないお願いだと喜ぶ俺。
「・・・・・・子供。
産まれたら、私があんたを
養ったげるから子育てしてくれない?」
・・・・・・・・・へっ?
俺は優さんのお腹を摩る手を止め
固まってしまった。