『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「・・・・優さんが望むなら
俺は倉野さんと関わらないよ。」

自分と小夜子を比べていた
優に和樹が言った。


優は驚いて和樹を見る。



「優さんが好きだから、
優さんのお願いちゃんと聞くよ。
それで優さんが
納得してくれるなら・・・」
和樹は切なく笑う。


さっき和樹は小夜子を
倉野さんと言った。


「違っ・・・・」

優は和樹からまた視線を
逸らしながら否定しようとした。


(・・・違うの?
それでいいんじゃないの?)


否定しようとした自分が
解らず動揺する優。



「・・・ねぇ優さん。
ちゃんとお盆休みの時
みたいに話しして?
俺、馬鹿だから優さんの
気持ち解らないよ。」

和樹は優の手を握る。



(・・・・・あの時は
仕事も関係なかったし、
倉野さんの存在も過去だったから・・・・)

優は思い出す。


和樹の実家で、知らなかった
和樹の過去にムカムカした自分。


でもあの時は、小夜子の
存在は曖昧だった。



けれど今は、現実に優の前に現れた。


自分より若くて、可愛く笑顔で
和樹に好きだったと
素直に言ってしまうのだ。



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