『主夫』だって『恋』してますけど何か?


お風呂から上がり、
バスローブを着て洗面台の
鏡の前で、ドライヤーを使い
髪を乾かす。


(・・・・・歳とったな。)

鏡に映る自分を見て思う。


和樹に出会った時はまだ
20代だった優。


(倉野さんは和樹と同じ
年だから、26歳か・・・・)

自分との歳の差を考える。


(・・・・・・・・私も、可愛くなりたい。)


「・・・・・・・・・・・」


(・・・・・っ私今、何考えた!?
この歳で可愛くなりたいとか・・・・)


優は首を振る。


つい、若くて可愛らしい小夜子と
自分を比べてしまっていた。



人と自分を比べるなんて滅多とない
優はバスルームで一人落ち込む。


(・・・・これも歳のせいかしら。)


いつもより念入りにクリームを塗った。





ガチャッ・・・・


いつもより念入りに
肌の手入れをして
バスルームを出た優。



「・・・・優さん。」


2階に上がろうとしたら
階段に座り、捨てられた犬の様に
瞳を揺らし、優を見上げる和樹がいた。



「・・・・・・何してんのよ。」

ダメだと解っていても、
冷たく言ってしまう優。


「優さんと話したくて・・・・」

和樹は立ち上がる。


「だから話す事なんてないから。」


「俺はあります。」

真っ直ぐに優を見つめる和樹。


「・・・・・・・・・・・・・」

優は黙って和樹から視線を逸らした。


さっき歳をとったと感じた
自分に自信が無かったから。



「・・・・優さん、昨日はごめん。」

そんな優の気持ちを知らずに
視線を逸らされた事に
傷つきながらも和樹は謝る。


「・・・・何が。」


「・・・・感情的になっちゃって
ちゃんと優さんの話しを
聞かなかったから。」



(・・・・和樹は私なんかより
ずっと大人なのかもしれない。)


決して和樹が悪い訳じゃないのに
謝られ、複雑な気持ちになる優。


「・・・・別に。」

それでも素っ気なく返してしまう。



(きっと倉野さんなら、笑顔で
可愛く返事が出来るんだろうな・・・)

また、小夜子と自分を比べてしまった。



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