『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「あっミノル君!」
窓を見てマリンが立ち上がる。
ガバッ!!
俺はマリンを抱えた。
「何よパパ〜!ミノル君
来たんだから、まどあけて!」
「ダメだ!開けられない!」
俺の腕の中で暴れるマリン。
それを見ていた中川さんは
窓から見えなくなった。
「よかった・・・・帰ったか。」
もう、中川さんとは
関わらないと決めた俺。
マリンを押さえていた腕を解く。
「パパひどぉ〜い!
ミノル君かえっちゃったじゃないの!!」
マリンが怒る。
ごめん、マリン。
いくらマリンの友達でも
あの母親とは関わりたくないんだ!!
怒るマリンを見ながら思っていた。
が・・・・・・・・
ピンポーン・・・・・・
ちょっとしてのチャイムが鳴る。
嫌な予感・・・・・・
ダッ!!!
「あっこら!マリン!!」
中川さんが庭からいなくなって
油断していた隙にマリンが
ダッシュで玄関の方へ走る。
慌てて追い掛けたが遅かった。
ガチャッ!
マリンが少しだけ開いたドアが
別の手によって大きく開かれた。
「ミノル君いらっしゃい!」
マリンは招かざる客を
いとも簡単に、招き入れる。
「どうも〜こんにちは♪」
「どうも・・・・・」
ドアが開くと同時に
聞きたくない声が玄関に響く。
そこにはニコニコ笑う中川さんと
真顔のミノル君が立っていた。
「ミノル君あがって〜♪」
マリンはミノル君の手を引く。
あっ・・・・・!マリン!
「高松さん♪
奥さんお出かけしてるみたいね!
私も、お邪魔してもいいかしら?」
「ははっ・・・
ミノル君だけ預かりますよ。」
俺は苦笑いをしながらいった。
「そんな事言わないでぇ?
ねえマリンちゃん?」
中川さんはマリンに問い掛けた。
「うんいいよ!
パパ!
はるか先生がね
みんなでなかよくしないと
ダメっていってたよ!」
くそ〜!遥先生め!
余計な事教えないでくれ!
先生なら当たり前に言う教えが
今の俺には余計な
お世話に感じた瞬間。