『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「・・・・・・はぁ」

茜のせいで少し集中力が
途切れた優は小さな溜息。



(謝ってきたくせに・・・)
優は昨日のピアスの事を考えていた。


(いっつも私が仕事してる間
何してんのよ・・・・)

椅子に背中を思い切りくっつけ
疲れた目を綴じて休める。



優はなんだかんだで
和樹の事を信頼していた。


けれどその信頼はここ数日で
崩れ出している。


目を綴じたまま、色々考える。


(・・・・離婚する?
いや、そもそも婚姻届出してないし)


和樹にとっては最悪の答えを
優は一瞬考えた。



『優さん』

でも、なぜか自分の名前を
笑顔で呼ぶ和樹の顔が浮かんで
余計に辛くなった。




「・・・・・あっしまった。
肇に電話するの忘れてた・・・・」


しばらく和樹の浮気疑惑で
頭がいっぱいだった優は呟く。

今日は藤堂に無理矢理約束を
されている日だ。


昨日、茜にエステやショッピングに
連れ回され色々すっきりとした優は
藤堂に今日の約束には行かないと
連絡するつもりでいた。



『・・・・・・・・・・・留守番電話に・・・』

慌てて電話をするが
機械音が聞こえるだけ。


「・・・・すみませんが、
今日の約束には・・・」

優は仕方なく留守電に
断りの伝言を残した。



< 87 / 532 >

この作品をシェア

pagetop