『主夫』だって『恋』してますけど何か?
(・・・・結構手間取ったな。)
時計は22時をさす。
優は会社を出て、藤堂に電話した。
(・・・・・まだ仕事?)
今だに繋がらない電話。
いつもまめに連絡をくれる
藤堂にしては珍しく
メールも不在着信もない。
(・・・・・約束肇が忘れる訳ないよね。)
優は少し不安になりながら
2人で良く行く小さな
イタリアレストランに向かう。
そのレストラン前の
公園が待ち合わせ場所。
小さなお店だから、先に入って
席を占領してしまうと悪いから
いつもそうしていた。
そのお店は元々藤堂が通ってた所で
オーナーシェフが気さくで温く
レストランと言っても
アットホームな店だった。
--------------
優は昔の事を思い出し
飲みかけのコーヒーを片付け
仕事も途中で切り上げて
急いで会社を出る。
昔は乗っていなかった車を
走らせてからしばらくして
懐かしいお店を視界に捕らえた。
イタリアの国旗を掲げた
小さなレストラン。
店を見ただけで
温かいオーナーシェフの顔が
浮かび懐かしくなる。
そして店の前を
ゆっくり通過した時
反対側の公園に視線を向けた優。
(・・・・やっぱり。)
優はため息をつきながら
近くのパーキングに車を止めた。