『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「奥さんがいるのに
何であんな事・・・・・」

優は指輪のケースを
見ながら呟いた。


「・・・・・なんでだろーな」
藤堂は優を見つめる。

藤堂からの真っ直ぐな視線に
優は胸がザワザワし
居心地が悪くなった。



「・・・・帰る」

優は立ち上がり指輪のケースを
藤堂の前に置く。


「・・・・だから、これはお前のだって」

藤堂は優に有無を言わさず
指輪を彼女の鞄に押し込み
伝票を持ちレジへ向かった。


(・・・・・・本当肇は変わらない)

優は唇を噛み締め
支払いを済ませる藤堂の
後ろ姿を眺める。



「・・・・優ちゃん、和樹に
たまには店に顔出せって
言っといてな!」

帰り際、マスターが
優に笑顔で言った。



まるで、和樹の存在を忘れるなって
念を押すように・・・・・




<優SideEnd>



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