弱虫な君と僕
美術科にはいるということはそういうことだと、ある程度覚悟して入ったつもりだ


…いや

…でも…これは…

「………すごい」


アタシは思わず感動してしまった。

休憩時間だというのに、みんな机にむかって何かしている。

それはお絵描き…漫画…同人誌…ケータイ…寝る………などさまざまだ。

でもほぼ大半の生徒は鉛筆の音を奏でていた。

「シャッシャーッッ ケシケシ、シャカシャカ…」


……まぢかあ

みんな友達を作ろうなんて気はさらさらなさそう…………っていうか…

話しかけられないドチキン…?

待ってるの?
話しかけられるまで…?

ずっと…?お絵描きするの…??


そんな空気のクラス内で唯一話しかけてきてくれた。

この子なら仲良くできそう。

話してみよう。

この場の空気に飲まれなくてすんだ。

友達なんて、その場を乗りきるためだけに仲良くするもんだから。

この子の名前を覚えよう。

「リカかあ!!可愛い名前だね!」


「あは★そんなことないよお〜 名前だけ可愛くてもしょーがないしさっ」


…よかった
みんながみんな美術科だからといって地味ってわけじゃないんだ


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