学校監禁ツアー
はぁ、はぁ…

どれだけ無言でいただろうか…

いや、五分もたってはいない。

俺は別に息がきれていたわけではなく、ただただ単に美術室に入るのが怖いだけだった。

「はやく、入りましょう」

翠さんが美術室の扉を開ける。

「ちょっ…」

俺もあわてて中に入る。さっき固まってた時とは大違いだ。

「…これ…」

はいってすぐに翠さんが何かに気がついた。

「血?」

俺は床についている赤い染みをみた。

「違う。これ…」

翠さんが見ていたものは、作品をしまう棚だった。


そこにあったのは、目をえぐり取られ、替わりにビー玉とボタンを縫いつけられている、少年だった。

「…この子、さっきの…?」


「あ。あぁ…」

よく見ると、手に何か握っている。

「紙…?」

俺はその紙を少年の手から取る。




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