学校監禁ツアー
「城崎くん!!」

グサリ、という音が聞こえた気がした。
「城崎くん、大丈夫?全く…彫刻刀の刃をむき身においておくなんて、だれよ…」

私はチラリと城崎くんの足をみる。

ふくらはぎの部分のズボンが破け、薄く切り、足首からは血が。そして、足の甲には……彫刻刀!?

「城崎くん、城崎くん!!刺さってる、刺さってるよ!?」

「あぁ」

あぁ、じゃないだろ、あぁ、じゃ!

幸い、ここ、第一美術室と保健室は近い。

「彫刻刀、ぬかないでよね」

私は、城崎くんを保健室に連れて行った。


電気をつけて、足をよく見る。

「…え?」

彫刻刀は、ずいぶん古い。美術室の備品だったのだろうか…
消毒液と包帯、ガーゼで怪我を治療する。

ばんそうこうは大きさが足りなかった。
包帯を巻き終えたとき、音がした。


たったったっ…

すぐ近くの階段を上る音…

奈津紀たちかもしれない!

「奈津紀たちかもしれない!私、呼んでくるね!城崎くんはここで待ってて!!」
私はすぐにかけだした。後ろで何か言っていたが、気にしない。


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