悲観のブルーダイアモンド
書斎に鍵はかかってなくて
すんなり部屋に入れた。
お父様は領地拡大のため王自ら
戦に出かけた。
私のお父様の思い出はあまりない。
書斎はメイドや執事でさえ出入り禁止のため
埃と蜘蛛の巣だらけで
この一室だけ廃墟のようで薄気味悪い。
なんという広い部屋なのか。
無駄に置かれたソファーやテーブルが
廃墟の残骸にしか見えない。
書斎の机には読みかけの本
壁にかけられたお父様の肖像画
本棚の本棚は蜘蛛の巣に覆われ
お父様がいらしゃった様子は見受けられない。
机の中を漁ると簡単に鍵を見つけられた。
机の中には日記のようなものがあり
なんとなくそれを開いてみると
最初から何も書いてはいなかった。
だが、最後のページに
“どちらか悪魔。1人だけ葬る事。この地呪いに蝕まれ、予知の者現る”
最初は意味が分からなかったが
最後の文の 予知の者現る。
つまりこれはジャック?
お父様の差し金?
呪い?どちらか悪魔?
この意味ありげな文書は
予言の書。とでも言うのだろうか。
机からそれ以上はとくに見つからなかった。
部屋を徘徊して、本棚にたどり着いた。
すごい量の本でどれも分厚く
難しそうであった。
とくに変わった本もなく
書斎から出る事にした。
細心の注意を払い書斎から脱出。
誰にも見つかることはなかった。
三階の書斎から私が出向く事はない四階へと急いだ。
普段は使わない階段を駆け上がり
四階はメイドたちの部屋と物置が中心。
何があるかさえ私は知らない。
四階にはメイドたちの姿があったが
あまり廊下に出る事もせず
みな、部屋にいるようだ。
さすがにメイドたちの部屋には入れないので
廊下のずっと奥にある物置にいってみる事にし、
メイドがいないうちにとネグリジェを持ち上げ全速力で走り出した。
物置のくせに扉は金で出来ている。心の底から無駄な建造物だと思ってしまった。