薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
それは日が昇り始めた頃のこと。窓からはその登り始めの日の光りが反射され、眩しく輝く。
「おはよう、紫音
どうするこれから」
それは紫音が言ってほしかった言葉だった。しかし彼女は寝起きのせいか、返そうと思っていた言葉が出てこない。
手を頭へと運び、紫音自信の髪の毛をすこうとするが引っかかる。何度も挑戦しようと試みるが引っかかる。やがては諦めて、姉に
「これから学校なので、帰ってから答えます」
と実の気が利かない受け答えをし、姉である紫華に「着替えるので」と言い追い出す感じで出て行ってもらう。