薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
「はい。分かっております。もちろんでございますが、覚悟もできております」
「……そうか。ならば次期当主たる櫻澤結斗にお主の兄たる桜沢紅華を葬ることぉ命ずると同時に櫻澤家を葬る刀『薄紅華の葬』を授けよう。
おぬしの兄であり、我が孫の紅華を楽にしてやれ」
御爺様の手にあった刀は己の手の平におさまる。包み込んでいた光はさらなるの強さを増し、まるで早く自分を使えて訴えているように見えた。その様に苦笑を浮かべつつ、御爺様を見る。
「はい。確かに承りました。では行ってまいります」