薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
藍色の空を小さな星々と満月の輝きによって明るく照らされる。雪がその明かりに反射するかのように輝きながら舞い散る。その美しさは誰もが感嘆する程に。
そんな美しい光景を前に、
鮮やかな赤が舞いとんだ。
それは鮮血。
それと同時に首を刀で切られた物体の頭がどこかへ飛ぶ。首から下はそのまま倒れ込む。
それを呆然と見ることしかできない私。
冷血な目で刀を持ち眺める彼。その目はこの世の者とは思えないほど恐ろしく、寒気に似たものを感じさせる。
そんな中でも雪―――櫻は舞い続ける。
まるで先程真っ二つにされた物体を哀れむように。