薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
いつもの如く爽やかな微笑。完璧なる微笑。浮かべると共に、私に背を向け去ってしまう彼。
あのような微笑を浮かべられてはもう言えないではないか。去られてはもう言えないではないか。
行かないで。今の関係を崩したくない。もっと貴方の良い所を知りたい。と。
それが何故なのかは分からない。異性である彼に執着するのか分からない。ただこの世の中が不条理だということは分かる。だって知りたいと思った者から遠ざけようとするのだから。