薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~


これはやはり運命《さだめ》という奴なのだろうか。神によって決められたものを突き進んでいるだけなのだろうか。それも理不尽で号外不遜の神様の定めた道《レール》を。


そんなの悲しい。悔しい。私達は家同士の諍いという名の縄によって縛られ、このままクラスメイトというだけの肩書きの中に埋もれてしまうなんて。


どうにもできないのだろうか。櫻澤君の意思を変えることなどできない。だってまだ親しいとはいえない。嗚呼、やはり無理なのだ。自分の影響力のなさに、嫌気がさした。
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