隣の彼女は・・・
「三浦先生と本とに付き合ってるのか?」


どうしてそんなことを
確認するように聞いたのか?


「付き合ってるよ。」


「三浦先生はやめとけよ。

男だったらいくらでもいるし・・・

鈴みたいなのだってそれなりに相手ぐらいみつかると思うし・・・・

これが最後って訳ないだろうし・・・

だいたい、年だってかなり離れてるだろ?

とにかく、三浦先生はダメだ。」



俺は、思いつく限りの理由を並べ立てた。

けど・・・



「だったら・・・

駿が私と付き合う?」


えっ!?・・・

真っ直ぐに鈴が俺を見つめてきた。


「いや・・・それは・・・」


俺が視線を外し

思わず口ごもると


「でしょ?

駿は、私のこと好きな訳じゃないでしょ?」


何だろう・・・

そう言われて返事ができない。

「・・・・・・」


黙ったままの俺に



「だったら、余計な口出ししないでよ。

たかが、幼なじみぐらいで。」


たかが幼なじみ・・・

鈴にとってもそんな程度なんだ。


「鈴・・・

俺、お前は俺のこと好きなんだって思ってた。」



勝手だって分かってるけど

つい

そんなことを鈴に言ってた。



一瞬の躊躇いのあと


「・・・好きだったよ。
でも、それは昔の話。」


完全に過去のことだと言うように

鈴がそう言った。



俺の中で何かが


ズキッ!



痛んだ。



「何?都合よくない?

駿は、今まで散々遊んで来たじゃない。

私のことただの幼なじみとしか思ってないくせに
どうして?

私の気持ちなんか駿には関係ないじゃない?」


実際、鈴の言う通り。

すごい都合よ過ぎ。


鈴は、俺のこと好きだなんて思い込んで・・・


「じゃあ、鈴は、三浦先生が好きなんだよな?」



どうしてそうまでして

そのことを俺は確認しなきゃならないのか?


俺は・・・どうしたいんだ?




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