仮面ライダー ORIGINAL FORM
爆発の炎と煙の中から二つの丸くて赤い光り。
絶望の淵から現れたその二つの光りは、一度目よりも俺の心を沸き立たせた。
――ゾ…ゾゾゾゾゾ…
赤い幻影を残し、銀色になったライダー。
その銀色は液体になり、まるで波が引いていくかのようにベルトの中央に戻る。
「どうでした?……なかなか強いでしょ?」
メガネを人差し指で直し、こちらに歩み寄ってくる。
「くっ……」
――ズザッ
突然、倒れ込むメガネくん。
痛む体を引きずり、少しずつ近付く。
「……」
どうやら気絶しているようだ。
自分の体に鞭打って立ち上がる。
幸い、家は近い。
「助けてくれるのは……ありがたいけど…さ、俺、怪我人なんですけど…」
メガネくんに肩を貸し、ゆっくりと我が家に向かった。
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