仮面ライダー ORIGINAL FORM



「今日は…どうやら平和な一日だったようだな…。」

茶色の革製のロングコートから剥き出しになっている右腕の、上腕辺りに彫られている入れ墨をさする。
狼が口を開けているように見える入れ墨は、黒というよりは青黒い色をしている。



「ん?」



入れ墨をさする手が止まる。
青黒かった入れ墨が段々と青白くなっていく。



「ちっ………言ってるそばから奴らが出やがった。」

――ギシッ


ベッドから立ち上がる。


――ガチャッ


腰に巻かれていたベルトが音をたてる。


「出番…みたいだな。」


完全に青白く変化した入れ墨は、なにか白いモヤを出す。






――ガチャンッ

――タッタッタッ

玄関を出て走り出す男。


「ん?これは……カレーだな?しかもこの香り…コクマロとバーモントの合わせルー…。なかなかいい組み合わせだ。しかも…味に深みを出すために…コーヒーを入れてるようだ。」


走りながら、立ち並ぶ家のどこかから漂ってくる香りを細かく分析する、男。


「一度、味わってみたいな…このカレー。」


そういって街中を外れ、河沿いの道にたどり着く。




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