仮面ライダー ORIGINAL FORM



『……いいぜ、姿を見せたって…。』


前後左右、反響して聞こえてくる声に怯える蟹男。


「な、なら早く出て…こい…カ……ニ……?」


そこで初めて気付いた異変。


「か、体が……動か……な……。」


――ピキピキッ


体を覆い始めている霜。
その霜はみるみるうちに全身を覆い尽くし、完全に動けなくなる。


「こ……こんな……こんな事が……。」




『もっと早く気付いてたらな。何か打開策があったかもしれないが…。』



いつの間にか動きを止め、蟹男の前に立つロウガ。
その右足からは青白い焔のように見える冷気が立ち上っている。


「『クライマックス』」

『これで終わりだ。』


少し屈み、勢いをつけて


――ザシュッ


跳ぶ。


『これで終わりだ。綺麗な輝きになれ。』


空中で前転し、右足を前に突き出す。
その右足は先程より一層冷気の焔をたぎらせている。


『ライダーキック…。』


――バキィィイッ


その蹴りは蟹男の中心を貫き


――ドガァァァアアンッ


弾き飛ばされた蟹男は凄まじい爆音と共に散った。



暗闇に包まれていた河辺にキラキラと雪が舞い、爆発の熱でそれは水になり、ロウガに降り注いだ。




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