仮面ライダー ORIGINAL FORM



自分の目の前で起こった事に彼、麻生タクマは混乱していた。


『よう、青年。さっきは追い出してすまなかったな。』


「ひっ……。」


歩み寄ってくる人影に怯え、後ずさりする。
大きく光る丸く赤い目がボゥっと光を失い消える。


『悪かった…この姿を見たら怖がるのも無理ない…。』


――ゾゾゾゾゾッ


遠くの街の光と月光に照らし出されていた青と銀色をした人間が、いつの間にか先程訪ねた『地獄の一匹狼』の男に変わっていた。


「や、や、やっぱり……赤い目の破壊者だった……。でも、あ、あの画像とは……。」



頭の中でパソコンに映し出されている破壊者と目の前で戦っていた破壊者。
類似しているのは赤い目というだけで、頭の中のそれとは全く違っていた。



「なんだ?知ってるのか、俺達の事?」



差し出された右手に腰が抜けて立ち上がれなかったタクマは、その手を取り、肩を支えられ立ち上がった。




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