*憧れの先輩と同い年のアイツ*
手に持っているのは、いつもと変わらぬクリームパン。


美加は無意識でそれを頬張っては、切ない表情で12月の澄んだ空を見上げ、溜め息をついた。





「美加?どうした?」


『……』



竜也が心配そうに声を掛けたが、美加の耳には届いていない。


美加は食べかけのクリームパンを見つめて、再び深い溜め息をついた。




「みーか!」


『え?何?』


「さっきから様子おかしいよ?クリームパン食べて溜め息なんて、美加らしくねーよ」



悲しそうな瞳で、竜也は美加を見詰めた。



『え?あ~、ちょ、ちょっと考え事してたんだ!あのさ、えっと、もう直ぐクリスマスだなぁ…なんて!』


「そっか//!クリスマスのこと考えてたのかよ。やっぱ折角だし、どっか行きたいよな!」



竜也の屈託のない笑顔を見て、美加は胸が締め付けられるのを感じた。



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