幼馴染と甘い夏【短編 】
まさか、あたしを見てると思わなくて、
「な、何?」
思わず声が上ずってしまった。
「んー。アリサが、こんなに女らしくってゆーか、綺麗になるとは思わなくて。最初は分からなかったくらいだ。」
昔を思い出す、可愛い笑顔で言われ、何だかくすぐったくて恥ずかしい。
「そんなキレイとかじゃないし。
…翔ちゃんだって、すごくモテそうじゃん。」
「俺?うーん。ま、そうかもな?」
ちょっと考えたあと、二カッと笑って肯定する翔ちゃんからは、決して嫌な感じを受けなくて好感が持てる。
「でも、アリサは簡単に状況に流されすぎだな。
相手が俺だからよかったものの、あんまり男をその気にさせんな?」
自分でキスとかしといて、ホントよく言うと思うけど。
でも、さっきのキスは、翔ちゃんだったからしちゃったんだもん。
「・・・知らない男とだったら、しないもん。」