恋愛ゲーム。

「好きじゃないよ。」

「えー!?」

…でも気になる…
葵のこと…


「…ただ…葵くんのことを考えると胸がドキドキして…」


でもどうして?
どうして、胸がドキドキするの?


「それを好きって言うんじゃないかな?」

「え?」

私が…葵を?

「私も彼氏いないから人のこと言えないけど…
でも、ドキドキしたり、胸が締め付けられる感情を抱くことが好きって事なんじゃないかな?」


『これはゲームであり、ゲームではありません』
この意味…わかった…
恋ゲー通りに私との恋が進む訳じゃなくて、
どうなるかは、すべて私次第なんだ。


葵や他のキャラをどう動かすかも私の言動次第。
そして、キャラを好きになるかも私次第。


私がそのキャラを好きにならなきゃ、前に進むことができない。



…そして…香奈のお陰でやっと取り戻せた。
自分の気持ち。


私は、純粋に、葵が好きなんだ。


昨日会ったばっかだけど、好きになった。
恋愛に時間なんか関係ないから。


いつ好きになっても自由だから。


「ありがとう、香奈。私、自分の気持ちに気づいたよ。」

「いえいえ。お役にたてたなら何よりです!」


楽しもう。
葵とのデートを。


純粋に…


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