恋愛ゲーム。
でもどうして私に優しくするの?
優しくされたら涙が止まらなくなるのに…
「…どうして私を慰めてくれるの?」
私は青山くんを見上げながら聞いた。
さんざんブスとか言ってたくせに…
「…好きだからだよ…
好きじゃなかったら抱きしめたりなんかしない!」
…!?
嘘…青山くんが私を…?
「俺、ずっと…中村のこと見てたよ…
俺にしとけば、世界一幸せにしてやんのに!」
…な…んで?
なんで青山くんは私のこと…
『これはゲームであり、ゲームではありません』
そっか…私と青山くんは同級生だからずっとクラスメイトって設定されてるんだ。
『最終的には全員と恋をしていただきます。』
このまま青山くんと両思いになった方が楽なのかな?
だって私は、全員と恋することになるのだから…
私…やっぱり…
だめ…やっぱり私…葵が好き…気持ちを移すことなんてできない…
私の目から大粒の涙がポロポロこぼれ落ちた
「…私…青山くん好きになれば幸せだったかも…
なんで…口悪くて、俺様なのに…こんなときに優しくするのよ…
すがりたくなるじゃない…私…」