キミとボクの部屋。
あの日。 said アヤリ
「アヤリ、ごめんね」
あたしの前で泣いているママ。
あたしはママに何も言わなかった。
そんなママとあたしを見る男。
あたしの、『パパ』らしい。
ママは必死に涙をおさえて、
深呼吸をいくつか繰り返して、
「会いたくなったらいつでも。
ママはアヤリのこと待ってるから」
そう言ってキャリーバックをゴロゴロ
引いて、空港の搭乗口に向かった。
今日から、あたしは『パパ』の娘。
『パパ』と二人暮らしだ。