キミとボクの部屋。


「大丈夫か?」

そんな言葉で我に返った。

誰だろう、こんなあたしに声をかけてくれるなんて

優しい人だ。

思わせぶりなだけかも。

そんなことを思っていると

目の前にタオルが差し出された。

黙って受け取った。

その人の顔は見れなかった。

顔を拭いた。

あたし、何してんだろう。

早く、ここを出なきゃ。

「ありがとうございます」

タオルをその人に渡した。

大学生くらいかな・・・

割と顔はイケメンだ。

「え、あ、うん」

タオルがあたしの手から離れた時

「じゃっ」

そう言ってその人の横をすり抜けた。


無性に家に帰りたくなった。

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