愛してる、愛してた、バイバイ。
そこには、
涙を流しながら空を見て居た來未が居た。
「お姉ちゃんが、お兄ちゃんの彼女?」
お構い無しに來未の服の裾を引っ張って呼びかける。
その呼び掛けが、あどけなさの残る子供の声だったから、びっくりしたんだろう。
目を見開きながら陸斗を見ていた。
すると、俺と目が合って、ホッとした様に肩の力を抜く。
『……癒しになるだろ?』
「うん……」
「お姉ちゃんは名前なに?
僕は、陸斗!」
ニコニコした陸斗に、來未は微笑みながら口を開いた。
「………來未。」
弱々しいそんな声ですら愛おしく感じる。