愛してる、愛してた、バイバイ。
ザワッ
俺が体育館に入った瞬間、生徒も保護者も騒ぎ出す。
「あの子って有名な会社の権力者の息子でしょう?やだゎぁ……」
「何でこんな学校に……天才だって聞くわよ?」
「あぁ……同じクラスにならなければ危害はないと思うのに……」
「やっだぁ……しかも、荒れてるらしいわょ~」
「悪影響及ぼさなかったら良いんだけど……」
保護者の話し声はひそひそ声でも直ぐに聞こえる。
……ほぼはあっているだろう。
どこからガセが出て来て、どこから事実が出てくるのかわかりもしない。
「ねぇ‼あの人って高城 優哉くんでしょ?!」
「やっばホントにカッコいい!」
「まじ、狙おっかな」
「ズルい。私も狙おうとしてたぁ。」
「おい…アイツって喧嘩マジ強ぇらしいよな。」
「あんまかかわんないでおこうぜ。」
「でも、金髪かっけぇー。」
生徒の席からも次々と言葉が聞こえる。
噂を信じてる馬鹿共とは喋らない。
置いてある鉄パイプの椅子の列の、一番後ろの1番端に座る。
隣には、誰も居ない。
ラッキーとか、心の中で思ってると……
「優哉くんだよねぇ?」
気色悪りぃ猫なで声が聞こえた。