オトナの秘密基地
旦那様が話す言葉の中に、この夫婦の生い立ちやなれ初め、周りの人に関するヒントを、できるだけ沢山見つけようと思った。


「私が嫁で、本当に良かったのでしょうか」


「当たり前だ。俺が選んだんだから。

しかも男子がなかなか生まれないうちの家系で、和子はもう長男を産んでいる。

お腹の子はどちらかわからないが、既に男子がいるんだし、俺は女の子でもかまわない。

和子にそっくりな子が生まれたら、きっと可愛いぞ」


照れているせいか、旦那様が饒舌になってきている。

和子さんに伝えたいことが、山ほどあるに違いない。

私は笑いながら頷く。


「私もどちらでもかまいません。

ただ、元気な子が生まれてくれたら……」


「そうだな。

元気で生きていくことが一番大事だ」


旦那様も笑っている。
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