シュガーレス
学校を出てから、どれくらい経った頃だろう。
五十嵐君が声を上げた。
「坂本さんっ!」
「え?」
反応して、立ち止まると、そこには心配そうな表情を浮かべた五十嵐君がいた。
「やっぱり、何かあった?」
にっこり、微笑む五十嵐君。
「…うん、強引にごめんね。」
私の感情で、彼を巻き込んでしまった事に自己嫌悪した。
そんな私の思いを知ってか、五十嵐君が明るく返した。
「いや、いいけどね。
むしろ俺的には、ここまで腕を取ってもらえてラッキーだし!」
その言葉で、今まで自分が五十嵐君の腕をずーっと掴んで、歩いていた事に気付いた。
急に恥ずかしくなって、慌てて手を離す。
「あははっ!」
私ってば…無神経過ぎでしょ!
「ほんと、ごめん…。」
「謝らないって、約束したはずだけど?」
いたずらっ子のように笑う五十嵐君は、やっぱり、どこか懐かしく思う。