シュガーレス
♪2
「それにしても…」
保健室で氷水を作っているみっちゃんに、呆れたように切り出した。
(今ちょうど先生がいなかったから、自分たちで手当てしなきゃいけないの。)
「みっちゃんってば、どうしたの?」
今思い出しても笑える。
『こいつをイジメていいのは俺だけだ』
だって…
「アンタ、どこのモテ男?」
「うるせー!」
ムスッとしたみっちゃんが、何か可愛く見える。
「まぁ、おかげで助かったけどね。ありがとう。」
「……ほら」
無愛想に、ビニール袋に入った氷水を渡される。
それを、ボールが当たった所にそっと触れてみる。
ひんやりと、気持ちいい。
「…お前さ、」
「ん?」
閉じていた目を開くと、何故か真剣な顔をしたみっちゃんがいた。
「本気で好きなのか?
…小泉の事。」
「え…っ!?」
そんな真顔で言われると…照れる。
「う、うん…」
「さっきみたいに、絡まれても?」
「…うん」
「ライバルだらけでも?」
「うん」
「脈無しでも?」
「う…」
「ふはっ!冗談だよ」
私の反応を見て、おかしそうに笑うみっちゃん。
何か、今日のみっちゃんは変。