シュガーレス

♪3




保健室から教室に戻ると、クラスの雰囲気が少し違っていた。




‐‐‐ザワザワザワ…

何よ?


訝しげながら、教室に入って行く。


「藍川大丈夫かー?」


「大丈夫じゃないよー!
だから、テスト多めにみて☆」


「大丈夫だ、お前今より下がる事ないだろ!」


無駄に注がれる視線を浴びつつ、馨ちゃんの攻撃をかわして席に着く。


「よぉ、」


「みっちゃん!」


「もう、いいのか?」


「なぎさちゃん?

うん!大分顔色良くなってたし、先生も帰って来たし。」


相変わらずクラスメイトの一部から起こる、わずかなざわめきをスルーして話す。


「お前…」


「ん?」


「や、何も無い。」


気が変わったように、みっちゃんが前を向く。



みっちゃんは、ちゃんと人と距離がとれる人。


人の心に、土足で入り込んできたりはしない。


だから一緒にいても気を使わないし、心地良い。


ずっと、ずっと



この関係は変わらないと思う。







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