シュガーレス
「え〜嘘!ねぇみっちゃん何か変だよね?」
と、前の席で音楽を聴いている三河の背中を叩いた。
「…あ!?」
美里…どんまい。
あいにく三河は機嫌が悪いみたいで、思いっきり睨まれてしまっている。
「こっわぁ〜…どうしたの?
何かあった?」
「別に」
その一言と共に、三河の鋭い視線が私に向けられる。
「…何か?」
美里はこんな風に機嫌が悪い三河の事が恐いらしく、今もビクビクしている。
私は全然平気だけど。
私はもっと恐いものを知っているから。
「何も」
三河はそう冷たく言い放つと、再び前を向いた。
あっそ。
どうやら私に対して怒っているらしいが、どうでもいいや。